写真にはフィルムしかなかった時代、フィルムを現像するのも印画紙に焼き付けるのも、光は禁物だったので暗い部屋で作業をした。そのための部屋を暗室といった。
　フィルムの現像は一切の光が使えず、まったくの暗闇状態だったが、印画紙への焼き付けには、安全光とよばれる薄明るい照明が使えた。
　暗室には、引伸ばし機がおかれ、印画紙を水洗いするための水洗設備が備えてあった。また、酢酸などの薬品がこぼれたりするので、独特の臭いがしみついていた。